「地元の酒を守りたい」という思いが感じられる、米どころ安芸高田市の酒蔵
向井櫻(むかいさくら) 向原酒造(むかいはらしゅぞう)株式会社
明治42年(1909年)創業の向原(むかいはら)酒造株式会社は、県の酒米出荷の7割を占める酒米生産地、安芸高田市にある唯一の蔵元。市内、町内で栽培された良質な米で、米どころならではの酒を醸す。
一般消費者、料飲店を問わず、ネーミングのウケが良い『安芸福の神』、『うっぷんばらし』など、アイデアを活かしながら蔵の個性を発揮する。
■ 向井桜 銘柄ラベル
広島の中北部、中国山地の南麓に位置する安芸高田市は、県の酒米出荷の7割を占める酒米の一大生産地です。標高約300mのこの地域は日照時間が長く、酒米が熟す時期に1日の最高と最低の気温の差が大きいなど、良質な酒米作りに適した気候に恵まれています。
明治42年(1909年)、そんなこの地で地元の有志らから「わが村にも造り酒屋を」と声が上がります。そして有志らが資金を出し合い立ち上げ誕生した蔵を母体としているのが、向原酒造株式会社です。
米どころにある蔵では、地産地消をモットーに地域の原料を使用。山田錦以外の全ての米を市内から仕入れ、特に中生新千本は蔵のある向原町のものを使っています。 水については、三次市甲奴町にある山の岩の間からの湧き水を汲み出して蔵まで運んでくるそうですが、雪が降る日でも水汲みを欠かさないところに原料へのこだわりが見て取れます。
■ 酒米生産地、安芸高田市にある唯一の蔵元
地元では、たくあんや漬物に合うような甘口の普通酒が好まれてきましたが、島根など、販路のある北部地域では辛口の需要が高く、蔵ではそれらの地域向けに淡麗辛口の酒も造っているそうです。
蔵の個性は、ユニークなネーミングのセンスやラベルのデザインからも感じられます。
スタッフの方によると『うっぷんばらし』はそのネーミングから居酒屋などでも引き合いが多いとのこと。
また、純米酒、純米吟醸のラインアップがある『安芸福の神』は、その縁起の良い名前からお祝いの席などでも利用されているそうです。
5年前の2004年、市町村合併で安芸高田市が誕生したことを記念して販売開始した「安芸高田」シリーズは、地元のデザイナーにラベルデザインを依頼。地元に根差したお酒は、シックなデザインも手伝って、市のお土産として成長しました。
販売についても、料飲店への提案営業、カクテルベースなどといった新しい飲み方やラベルデザインの研究など、様々なアイデアを実行されています。
広島市内で関連会社が運営する料飲店「地酒蔵 三篠川」では、蔵元から直送のお酒が 楽しますが、そこで飲んだ味が忘れられず、車で蔵元まで買いに来る客もいるほど。
広島の米どころにある蔵元は、その酒の味もさることながら、そのアイデアや酒の販売方法も注目に値します。
「地元の方はたくあんや漬物に合うような甘口の普通酒を好んで飲んでいただいています。また、当店の『安芸福の神』、『うっぷんばらし』は、勝った時には『安芸福の神』、負けた時には『うっぷんばらし』と、ゴルフをはじめとしたスポーツの景品として利用されるお客様もいます」
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