江戸より伝わる保命酒の味を守りながら、時代のニーズに合わせて進化を続ける
ミツボシ 岡本亀太郎本店
江戸時代に鞆の浦の特産品である薬味酒「保命酒」の製造を一手に担っていたのが中村家。
岡本亀太郎本店はその中村家と懇意で、明治期に道具一式を譲り受け、伝統の技を受け継いだ。
350年の歴史を持つ保名酒の味と伝統の製法とを守りながら、紀州産の梅を焼酎の替わりに保命酒で漬けた「梅太郎」といった、新商品も展開。
これまでのボトルやパッケージのデザインを一新するなど、新たな試みで保名酒の更なる普及を目指している。
1659年に医師の中村吉兵衛によって考案された鞆の浦の保命酒。
16種の漢方が配合されたこのお酒は、医薬品ではないながら古くから健康酒として知られており、専門家の分析でも現代医学から考えても理にかなったものと言われています。
この保命酒の考案者、中村吉兵衛秘伝のレシピを守り続りながら、更なる向上を目指しているのが、岡本亀太郎本店です。
蔵元の店頭に立ってまず驚くのが、その古いたたずまい。明治になって福山城から移築された長屋門は市の重要文化財にもなっています。
明治時代に中村家から保命酒の製法を受け継いだ蔵元では、原料となるみりん造りを常に追求し、全商品、自社内で造ったみりんをベースに生産しています。
また、良いみりんの定義から見つめ直し、大手みりんメーカーの工場長を招聘してみりん造りを徹底的に研究することで、より良いみりん造りにも力を入れてきたそうです。
■ 保命酒の本家である中村家から
譲り受けた豪奢な看板
温度管理を徹底し、麹の働きを促すことで造るみりんは、麹が活発に働くことでアミノ酸がたっぷり。
原料となる餅米の旨味を最大限引き出すことで、漢方薬の臭みを打ち消し、米の甘みが前面に出るみりんを造っています。
この原料へのこだわりをもって2005年初春に発売されたのが、紀州産の梅を焼酎の替わりに保命酒で漬けた『ミツボシ 保命酒 梅太郎』。 みりんに含まれる糖分の浸透圧を利用して果実のエキスを自然に引き出し、濃い味の果実酒に仕上がっています。
発売後、大型商談が次々舞い込むほどのヒット商品へと成長した『梅太郎』は、杏の実を漬け込んだ『杏姫』とともに特に若者へ向けて保命酒の新しいスタイルを提案しています。
若い世代へのアピールをする一方で、岡本良和専務は保命酒が持つ歴史も重視しています。
幕末に黒船に乗って下田に来航したペリーが保命酒を飲んだことを資料をもとに検証したり、奇しくも同じ6代目にあたるペリーの子孫と会ったりと保命酒の歴史を今に伝える活動も行っています。
保命酒と鞆の浦が幕末の人物と関わり深いのにちなみ、日本が幕末からの夜明けを迎える様子をイメージしたデザインで2009年1月から従来の保命酒のパッケージ、ボトルを刷新。
保命酒の知名度を全国に広めるべく、新たな一歩を踏み出しました。
「地元、鞆の浦の菓子店では、ブランデーの代りに保命酒を使用してアイスやケーキ、羊羹などを作っていただいています。ウナギなどの臭みを抑えるのに保命酒の薬味を用いていらっしゃる飲食店もあるんですよ。350年の歴史がある保命酒のストーリー性や、保命酒の幅広い用途を打ち出しながら、伝統ある保命酒を次の世代に伝えていきたいです」
■ 代表取締役社長 岡本 良知氏
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